2025年 理事長所信

理事長所信

一般社団法人吉野青年会議所
2025年度理事長
山口 大輔

弥栄

~利他の心、吉野ひとつに~
さあ立ち上がれよしのびと
熱い情熱とプライドを持って
大丈夫、俺たちなら必ずできる


【はじめに】

私は2017年に青年会議所に入会し9年目の月日が経ちました。青年会議所を通じて 沢山の人に支えられ、沢山の人と出会い、色々な役職も受けさせていただき成長の機会を与えていただきました。今の自分があるのは青年会議所があったからだと私は確信しています。「人は人でしか磨かれない」と先輩から言われた言葉です。今までの自分は「一人でなんでもできる」「自分がよければいい」と思って行動をして、失敗しての繰り返しの中で、人に迷惑をかけてきました。そんな中、周りの仲間が「なにか手伝ったろか」「これしといたるで」と声をかけてくれました。仲間は自分も忙しいのに自分を犠牲にしてでも私のために協力してくれていました。その時自分の中の心を変えてくれたのが「利他の心」でした。私もそんな人間になりたい。と強く感じたのです。自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「自分を犠牲にしても 他の人を助けよう」とする「利他の心」を持ち支え合うことが今の我々に必要であると考えます。それを備わった我々(一社)吉野青年会議所は心が「ひとつ」となり強いチームを創ってまいりましょう。

【挑戦できる組織、運営】

時の流れに合わせて時代も刻刻と変化しておりますが、DXの推進により今後は今まで以上のスピード感で世の中が変わっていくと考えられます。デジタル化だけではなく人々の生活様式や価値観も大きく変わっていく中においても私たちは時代の変化に対応しながら走り続けなければなりません。

組織内でのルールを守ることは、組織を円滑に運営する上で絶対に必要な事です。しかし、多くのルールに縛られて行動しないでいることは、組織力の低下に繋がります。そのルール自体がもし時代に即していないのであれば、変えるべきだと提案をすることが必要になるでしょう。その変化の提案こそが今の(一社)吉野青年会議所の組織力を向上させるのにとても必要なのです。組織を成長させ、組織力の向上を図るには常に新しいものを取り入れ実践する事が重要です。実践をして失敗する事も多くあると思います。しかし失敗をし、学べる場所が青年会議所だと私は思っています。どうせ変えることなんて出来ないと最初から決めつけ、何も行動を起こさず考えることを止めてしまってはその先に成長はありません。一度変えてみて、ダメなら元に戻す、そしてどこがダメだったのかを仲間と一緒に考え、また挑戦する。これを繰り返すことによって組織はどんどん成長していきます。組織の基盤にはなかなか変えられないものが多いですが、それを変えたらどうなるのかを楽しく想像してみる。そしてそのアイディアを仲間と共有し、行動することで組織力の向上を通じて(一 社)吉野青年会議所の価値を高めて参りましょう。

【まちに弥栄を、未来を創るのはよしのびとだ】

「よしのびと」は「吉野の未来を思い行動するひと」と位置付け4つの愛で運動を展開してきました。今、よしのびとが牽引するのは地域であり、そこに住まうすべての人々なのである。

「敬愛」・・・先人を敬う心
「慈愛」・・・次代を担う子どもたちを慈しむ心
「家族愛」・・家族、仲間を思いやる心
「郷土愛」・・吉野を愛する心(まちへの誇り)

我々の愛する吉野地域は、自然に富み、歴史や文化に富み、人情味あふれる人々が沢山住んでおり、街は風情を感じられるまちであります。しかし日本の都市部以外の地域では人口 減少、少子高齢化が進み、この吉野地域でも利便性を求め若者の流出等の課題や山間地で起 こりうる災害への対策、コロナ禍でのイベント行事の縮小、自粛などがあり、今までの活気 が失われつつあります。我々が課題に対して向き合い関係各種団体との連携をとり、この地域に何を求めているのか収集し、ともに解決してまいりましょう。先陣を切るのは我々です。小さい頃に感じたワクワクした感情を、愛する吉野に湧きおこし今までの以上にまちに弥栄をひとに笑顔をあたえましょう。

また、このまちに住み暮らす子どもたちは至『宝』であり、未来を担い、未来を背負うよしのびとです。近年の子どもたちの育ちについて、他者とのかかわりが苦手、自制心や耐性、規範意識が十分に育っておらず、運動能力が低下している等の明確な課題を文部科学省も打ち出しています。明るい豊かな社会の創造において絶対に欠かせないことは、子どもたち の溢れる笑顔であると考えます。地域の大人として、その子どもたちにどんな景色をみせ、どんな経験をさせるかは、その後の人生を左右しかねないほど大きいです。とにかく圧倒的 な原体験を通じて、子どもたちが成りたい自分を見つける一助になれる機会を提供し、このまちの未来ある子どもたちがもっと輝けるように笑顔の花を咲かせましょう。


【知りたくなる広報】

(一社)吉野青年会議所はまだまだ認知度の低い団体です。そして知ってくださっている方の中でも誤ったイメージを持っている方がいる事も事実です。地域の方々に我々がどういう団体でどんな運動・活動をしているのか具体的に理解してもらうことが運動・活動をしていく上で、とても重要な事なのです。どれだけ内容的に素晴らしい運動・事業を展開していたとしても、組織自体への理解度が低いままでは、運動・事業が社会にもたらす波及効果も十分に発揮されません。「明るい豊かな社会」を築き上げるため、我々の理念や具体的運動・事業、そして優秀なメンバーが数多くいることを地域の方々に対して積極的に周知していくことが必要です。そして単に「認知」されるだけではなく「理解」を得る努力を惜しまないことが重要だと考えます。この努力を続けることで、我々の運動・事業が社会により良く波及し周知・理解されていくことはもちろん、青年会議所の理念に呼応するメンバーの拡大にもつながり、更に効果的な運動・事業が実現できると信じています。

 昨今のSNSによる若者世代の発信力や拡散力は世の潮流を動かす影響力を秘めていま す。若者世代を突き動かすような今までの方法に捉われない自由で柔軟な発想による発信と私たちが普段何気なく行う活動を親しみやすく発信することで、吉野青年会議所が行う運動への共感の輪を拡げていきましょう。自分達だけで満足するのではなく相手の立場に立って行い、相手の心に響く「愛」をもって発信を行うこと、それらは地域が参画するまちづくりへの一歩になるからこそ皆が意識共有し、発信のタイミング(時期)やターゲット(相手)を定め、どのような内容と方法で行うのか、予め戦略を立てた上での広報発信を行いましょう。

【共感を得て仲間を増やす】

会員を拡大することは、組織を維持・発展するために必要不可欠です。会員としてともに 運動をし、地域の先頭に立って活動をしていく同志を迎えることは、我々の運動の幅を更に広げ、私たちが住み暮らすまちに運動の効果を波及させることができ、明るい豊かな社会の 実現に近づくものとなります。まずはメンバー全員が青年会議所としての自覚と自信を持 って青年会議所の魅力、価値を熱く語り、それに共感してくれる人を増やして参ります。そして我々が笑顔でないと他者からは良い団体であると見られません。我々の運動・活動が常 に見られているという実感を持ち行動しましょう。我々が笑顔でいる組織こそが自然と共 感を生み出し魅力ある団体であると感じ、入会したいと思える組織としましょう。

【ブロック大会主管としてのプライド】

 (一社)吉野青年会議所は本年度、第53回奈良ブロック大会主管を担わせていただきます。2017年の主管から8年が経過し、当時ブロック大会を経験したメンバーも居てないのが現状ではありますが、我々が主管青年会議所としての責務を果たすために奈良ブロック協議会と県内9LOMの連携を強化し、ブロック大会の成功へと導きましょう。そのためにはメンバー全員が一致団結し、誰ひとり欠けることなく全員で手を取り合って吉野のプライドを持ち、ブロック大会の成功に力を注ぐことが必要です。ブロック大会主管を通じて、当事者意識が備わったメンバー一人ひとりがスキルアップし加速することで、更に組織として吉野として「ひとつ」になると確信しています。

【55周年に向けて】

吉野青年会議所は、1972年に創立され、全国で513番目のLOMとして認証を受 け、吉野青年会議所が設立されました。それから半世紀以上に渡り諸先輩、一人ひとりがこの吉野を愛し、吉野に住まう人々を愛し、熱い情熱を持った仲間と共に青年会議所運動をされて来ました。そのおかげで(一社)吉野青年会議所は確固たる地位を確立していることに感謝と敬意を表します。2021年に創立50周年を迎え、50周年運動指針を「共に育つ「まち」を共に創る」と定め、5年先10年先そして創立100周年を目指し運動を展開してまいりました。本年度は54周年目となり、2026年には節目である55周年を迎えるにあたり、今一度50周年運動指針を念頭に置いて運動を展開し55周年に向けて準備をしてまいりましょう。

【結びに】

人は如何なる時も歩むべきである。でも大きな壁にぶち当たった時あなたはどうしますか。立ち止まって考えるのか、一歩後退して考えるのか、あなたの周りを見渡してください。そこには必ず手を差し伸べてくれる仲間がいます。一人で越えられない壁なら二人いれば越えられるかもしれない。三人いればもっと大きな壁を越えることもできるでしょう。人は一人では生きていけない。人と人が寄り添い、支え合うことで困難を乗り越え、喜びを共にし、人生を豊かにしていくと信じています。先が見えない時代でも仲間と共に歩めば、必ず道を切り拓くことができる。何より、自らの限界に挑戦し、新しい価値を生み出すことで感動を与えよう。恐れない、驚かない、ためらわない、疑わない誰だって初めてのことは戸惑い、うまくできないこと、上達できないことがある。まずは、行動すること。失敗したからといって諦める必要はない。そこがスタートライン。

大丈夫。
ひとりじゃないから。
自分を信じ、仲間を信じ、新たな一歩を歩み出そう。