一般社団法人 吉野青年会議所


2019年度 理事長所信

一般社団法人吉野青年会議所  理事長  大月 基伸

格致日新
〜為すべきことの本質を掴み、迷わず突き進もう〜

【はじめに】

 (一社)吉野青年会議所(以下吉野JC)は1972年に創立され本年度で48年目を迎えます。「明るい豊かな吉野の実現」に向けて高い志と強い覚悟を持った諸先輩が、その時代や社会の変化に応じた運動を展開されバトンを今日までつないでこられたおかげであり感謝の念に堪えません。その受け継いだバトンを次世代に確実に託せるように行動する必要があります。現在の吉野地域の現状を見ると、人口の高齢化が急速に進行するとともに、若年層を中心とする人口流出に歯止めがかからず、近い将来での地域社会の存続すら危惧される状況となっており多くの課題を抱えています。
 ではこの問題における解決策とは何でしょう。解法はどこにも示されてはおりませんが次の言葉が運動の道標となると考えます。「格致日新」です。格致日新とは物事の道理や本質を追い求めて知識を深め、日々向上していくことを意味します。時代時代における様々な問題の本質について感じ考えそれに対して適した策を講じ前に進んでいく。しかしながら、それは決して自己満足であってはならず、本当に地域から求められている事業、地域に影響力があるかを勘案し地域の方々の目線に立って考える必要があるのではないでしょうか。即ち、利他の精神、奉仕の心を忘れず行動する必要があります。この地域に暮らす一員として自らが真剣に悩み、考え、行動するしか策はありません。JCIクリードの最後に「 That service to humanity is the best work of life.」とあるように、メンバー一人ひとりが一歩一歩前を向き原理原則に従って為すべきことを考え、失敗を恐れず行動しましょう。やると決めたなら、迷わず、ためらわず突き進みましょう。



【個の集まりからチームへ】

 青年会議所は会議により物事を決定する組織です。組織である以上、理事長をはじめ、副理事長、専務理事、監事、委員長、副委員長、委員と様々な役割があり各自が当事者意識を持ち職務に邁進することで初めて個の集まりから素晴らしいチームとして機能していきます。また、過去に「自分の議案を愛して下さい。」とおっしゃられた先輩がおられました。当時、私はまだ入会して間もない頃で特にその言葉をさほど気に留めていませんでしたが様々な経験をすることでその言葉の重みを実感した気がします。青年会議所では想いはいくら心の奥底に持っていても実現することはできませんし伝わりません。組織である以上、持っている想いを正確にメンバーに伝え、理解し納得してもらう必要があります。それを表現するものが議案であり、吉野JCには先人から引き継がれブラッシュアップされた素晴らしいフォーマットがあります。すべての項目において「実施に至る背景」「事業目的」「目的達成のための手法」など、書くべきところに正確に想いを形にしていきましょう。会議をスムーズに進めるにはその正確な議案が前提条件となります。資料は必要以上に多ければよしというわけではありません。正確に物事を伝えられるように心がけましょう。そうでなければ委員会、正副会議、理事会と会議が進む中で本当に討議すべき本質の内容から逸脱してしまい各自が会議の為に捻出した限られた時間を無駄にしかねません。委員長を中心として、チームとして段取り八分の気持ちを忘れず資料作成、会議に挑みましょう。



【本質を意識したまちづくり】

 まちづくりの主役とはだれでしょうか。
 私は決して、自治体や民間企業、専門家などまちのつくり手ではなく、そのまちの住民であるまちの使い手であると考えます。現在、地域創生の旗印のもとに地域の問題を解決すべく様々な施策が全国各地で実施されています。我々が活動する吉野地域も例外ではありません。以前のまちのマネジメントは、その地域に住む人々(つまりまちの使い手)によって行われており、道路を作るにしても土を運ぶ人、水を運ぶ人、石を積む人など、それぞれ役割を分担し合って作業し、住民がまちを管理していくことは当たり前とされていました。地域の人々一人ひとりがまちづくりの一端を担っているという意識を持っていたように思います。しかしながら現在は、まちのマネジメントは専ら行政が行うようになったことや、仕事に追われ多忙な日々を送る現代人にとって、まちはただの「家がある場所」でしかなくなってしまったことで、今では住民とまちとの結びつきが希薄化してしまっているように感じます。ではこの状況を打破するために我々がするべきことはなんでしょうか。私は青年会議所の一番の強みは自ら社会の課題を抽出し、解決に向けた政策を立案し、自ら実行していく、独立自尊、唯一無二の政策立案団体であることと考えます。誰の影響も受けることがなく自分達でするべきことを考えそして実行することができます。決して一過性のイベントを企画するのではなく、まちの使い手である住民のやる気スイッチを押せるような取り組みを自治体、地域を想う諸団体と連携し行動することが必要ではないでしょうか。メンバー一丸となって取り組みましょう。



【自己肯定感を持てるひとづくり】

 情報化、科学技術の発展、グローバル化など、変化のスピードが加速している時代。子供達が一人前の社会人として生きていく未来を見据えたとき、どのような力が必要となるのでしょうか。ますますこの明確な答えのない時代をこれからの吉野を担う子供達は生き抜く必要があります。そのために我々ができることは何でしょうか。テストでいい点をとるためだけの手法を教えることでしょうか。目的がはっきりとすれば、おのずとするべき行動は明確となり専門的な知識への探求へと向かうはずです。その目標に向かうことのできるしっかりした土台作りこそが我々に求められているのではないでしょうか。その土台を備えたひととは、自己肯定感を持ち素直な心で物事に向かうことのできるひとであると考えます。自己肯定感とは、自分に自信をもち、自分の判断やありかたを心から信じる気持ちとされます。そのために「親の背を見て子は育つ」という言葉があるように、まずは私達大人が変わることです。輝いている自分達の姿を魅せていくこと、相手を変えようと思うのならば、まずは自分達が成長していく姿を魅せていくことが大切です。よしのびとの先輩として、吉野地域の子供達に我々の背中を堂々と魅せることができるようまずは足元から見つめなおし、そして率先して行動しましょう。



【会員拡大】

 青年会議所という組織は様々な機会を提供してくれます。JC運動の中で得ることのできる知識や経験、仲間というものは、今後の人生においてとても有益であり、貴重なものになると信じています。私は2007年に吉野JCに入会させていただいて以来、本年度で13年目を迎えます。それまで本当に様々な役職、そして出向を経験させていただくことで多くの学びや刺激を受けることができました。決してすべてが順調にいったわけではなく、ときには事業構築に悩んだことも多々ありましたが、JC運動に費やした労力以上の対価を得ていることは紛れもない事実です。また、皆さんも入会式から今まで青年会議所でどのような学びがあったかをまずは振り返ってみてください。必ず成長があるはずです。そして皆さんが感じられたことこそがJCの価値でありその価値を伝えきることができてこそ、まだ見ぬ同志に共感を生み共鳴につながり組織の成長さらには吉野地域の活性化につながります。「量より質」であることは十分理解していますが「数は力」でありその団体の体力です。窮地に立たされている今だからこそ、自分達が自分達の言葉で経験を語り、吉野JCチーム一丸となり会員拡大を行っていきましょう。



【受け手の立場に立った広報】

 以前と比べ、SNSなどのWEB上での個人間のコミュニケーションツールが発達している現在では、より多くの方々に青年会議所の事業や運動を発信することができるようになってきています。その反面情報を受ける側の立場に立ってみると情報があまりに多く錯綜しており、どのような情報を受け取ればいいか困惑することもしばしばです。そのため以前に比べ広報する手段は容易になっている反面、効果が思ったほど上がってきていないのではないでしょうか。ただやみくもに発信しても受け手には届かないのが現実です。
 魅力ある事業を行っているからこそ、誇りをもって誰に何を伝えたいかそのためにはどの手法が最適か、情報伝達ツールの得手不得手を考えたうえで吉野JCを発信していきましょう。そして、一番の広告ツールは我々です。一人ひとりの活動こそが吉野JCそのものです。規範のある行動に努めましょう。



【おわりに】

 青年会議所はたびたび大人の学校に例えられます。私は同じ学校でも子供の学校とは決定的に違う点があると考えています。それは受動的であれば圧倒的に得る学びが少なくなる部分です。学生の頃であればカリキュラムがあり、それを淡々とこなしていてもある程度の成果があると思います。人生において、皆平等に与えられた時間の中でJC運動をする以上、常にその部分を念頭に置き、立場、状況でいろいろなことを考え、積極的に自ら参加し、経験し、意識を持って行動しましょう。困難に直面することも多くありますが、その時には「基本に忠実であれ」という気持ちを忘れず立ち向かいましょう。終わってみれば必ずいい経験となり人生の糧となることと確信しています。
 最後に、今日まで吉野JCを築いてこられた諸先輩をはじめ、我々の運動を支えていただいているすべての方々への感謝を決して忘れず、JC運動において培ったすべてを注ぎ込み、理事長職を全うすることをお誓い申し上げ、第48代理事長としての所信とさせていただきます。